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1 2016年 09月 01日
補体系のImmunityレビュー。学部時代は補体というとMACを作って細胞を破壊する免疫系という認識しかなかったが、近年の研究により、いろんな臓器でサイトカインシステムのように多様な役割をもつと明らかになった。
CD46レセプターを介していろんな細胞でシグナルを入れる。β細胞でのインスリン分泌、ニューロンにおける新生シナプスの除去などだ。基本的にストレスシグナルなので、過剰にかつ慢性化するとまずい。炎症系サイトカインのようだ。 腸内のグリア細胞がILC3細胞を制御するNature論文。腸の炎症や感染を制御するシステムだ。いろんな細胞タイプや組織がからむとややこしくなるが、この論文が適宜genetic modelを持ちいて証明してる。組織特異的に細胞や介在因子をノックアウトしている。更に腸organoidを持ちいることで小回りのきくvivoもどき実験も可能にしてる。ストーリーがセクシーなので身構えてしまうが、相当な仕事量かつ正統派だ。 ▲
by sugirioblog
| 2016-09-01 21:34
2016年 09月 01日
造血幹細胞HSCがB1aタイプB細胞を作るかが血液のマニアックな方面で議論になっている。B1aは未熟な発生途上の一時しのぎのB細胞で、一次造血(卵黄のうや胎盤で一過性におこる一時しのぎの造血。本当の造血は別の場所でそのあとにおこる)の産物だ。最近の論文でHSCがB1aを作らないことが示されたが、今回のImmunity論文はそれとは異なる結論だ。HSCをバーコードしてB1aへの寄与を見たという。しかし、ラベルしてる集団が単なるLSK(HSCもくそみそも混ざる)だから残念だ。single-cell移植でB1aした結果もあるが、n=1(20回やって1回だけ生着。この実験はテッキ―で指先の神業がいるので、できる人間が限られる)なのでエビデンスの強さが弱いし、他の系譜に分化で来てるか不明だ。単なるB細胞前駆細胞を見てるかもしれない。なので、課題が3つ。
1.肝心のsingle-cell移植がn=1かつ不十分な解析のためconvincingでない。 2.B1aと共通の分化細胞が顆粒球しか示されていない。全血球に同じバーコードがあるか不明。 3.(この論文では回避できてるようだが)、バーコードがearly mesodermつまりHSCよりももっと前の段階の細胞にかかってしまうかもしれない。そうすると、中胚葉ほとんどの細胞で共通のバーコードがでてしまうので、HSCにおけるバーコードの意義がない(受精卵でするのと同じだ)。とくにin vivo バーコードではそのおそれがある。 細胞の系譜を厳密に追う方法にバーコードがあるが、それを過信するとコワイかもしれない。 ▲
by sugirioblog
| 2016-09-01 21:07
2016年 09月 01日
microsatellite instability (MSI)を示す癌の微小環境にPD1が高発現している論文。おそらくCD8陽性T細胞を抑えてるのだろう。MSIの癌ではDNAリペアが不活化しているので変異によるneoantigenが発現し、それをターゲットにCD8陽性T細胞がやってくるのだが、PD1でうまく逃れていると考えられる。このような癌はPD1抗体の治療対象になるかもしれない。
epigeneticsと老化のCellレビュー。各論が並べてあるだけで整理しにくいが、ポイントは 1.ヒストン修飾のグローバルな変化 2.環境や代謝による老化関連遺伝子の発現変化。 なんともブラーで、これといったものがない。 これらのhallmarksの多くは線虫やハエで発見されたものであり、実際にヒトでも共通なのか解明が大事だ。そして単なる相関ではなくcausativeなのか。 最近killifishがモデルとして注目を集めてるが、ヒトと共通のメカニズムや老化現象があるか調べられる必要がある。これらが整理されてから手を出してもいい分野かなと思う。 ▲
by sugirioblog
| 2016-09-01 20:10
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