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2017年 12月 26日
造血幹細胞のアッセイに必須な移植に使われるマウスについて。マウスtoマウスでは問題ないが、ヒトtoマウスすなわちxenograftは限界がある。その理由はヒト造血に関与する微小環境が再現できないという生理学的な問題。そして前処置による技術的問題だ。前処置とは放射線照射などによりマウス本来の造血細胞を減らすことだ。原住民を追い出さないと、外来のヒト造血細胞は定着できない。 克服するために 1.ヒトサイトカインをノックインしたマウス。 MISTRGマウスがこれまでで最も強力にヒトサイトカイン環境を再現した。これはRAG2; IL2Rg免疫不全マウスに4つのヒトサイトカインM-CSF1, GM-CSF, IL3, TPOをノックインし、さらにSIRPαノックインによりファゴサイトーシスを抑制することで移植されたヒト細胞が貪食されずにすむ。論文ではNSGと比較して骨髄球が増加している。 しかしMISTRGマウスは最近JAXから引き上げられてしまった。使用するにはFlavellラボに頼むしかないという。 次点ではNSG-SGM3マウスがあり、これはJAXから買える。免疫不全マウスのスタンダードであるNSGマウスに3つのヒトサイトカインGM-CSF, IL3, SCFをノックインしたものだ。このマウスにヒト造血幹細胞を移植すると、NSGと比較して骨髄球とCD4陽性T細胞の増加が見られたが、B細胞と造血幹細胞は減少した。 2.ヒト胎児組織を移植したマウス。 BLTマウスという。ヒト胎児の骨髄(B)、肝臓(L)、胸腺(T)組織をマウスに移植したもの。造血環境を再構成するのに最も強力だが、手間も時間もかかる。自分も過去にファシリティに頼もうとしたが、作られるマウス数が限られているのと、実験のタイミングと合わせるのが不可能だと断念した。 しかしBLTマウスより簡便かつロバストなモデルは学会レベルできている。 3.前処置フリーのマウス。 cKit遺伝子に変異を入れた免疫不全マウス。放射線など前処置をせずとも移植に使える。放射線につきものな微妙な線量のさじ加減、書類の手間、照射後のマウスの死亡例を防げる。 NBSGWとNSG-W41の2種類がある。基本同じで、ともにJAXから買える。
by sugirioblog
| 2017-12-26 07:53
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