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2017年 12月 25日
我々の実験の素材となるヒトPSCについて。ESとiPSを総称してPSCとよぶ。 1.ESとiPSは違うか? 結論は、同じだとされる。Hochedlingerは同じ人間から作ったESとiPSを比較したところ、機能的にも分子的にも違いは見られなかった。 過去にiPSはもとになった細胞のepigenetic memoryを持っているという報告が流行ったが、それよりも遺伝的バックグラウンドの方が重要だ。また、継代を繰り返すと性質は変わる。我々も血球由来のiPSを数ライン使用しているが、特に血球分化に良いわけでない。その中には効率が最悪のラインもあるし、効率が最高のラインが血球とは関係ない細胞由来だった例もある。 なぜか日本の研究者からはESの方が良いんでしょうと聞かれる。答えはノーだ。違いはない。別々のセルラインでリピートをとるために、複数ラインのESやiPSを扱っているだけだ。 2.継代数。 Egganらは継代を重ねたPSCでは変異が蓄積していることを報告した。我々はquality checkの一環として、マイコプラズマや核型だけでなく、exomeを項目に加えた。ちなみに我々は継代数を30-40以内で打ち切り、新しいラインをおこしている。それを超えると分化誘導の効率が落ちるという理由もある。 3.Naive vs primed. 最近まではより未分化なNaiveヒトPSCを樹立しようというブームがあった。結論として、すでに樹立方法が確立されている。 また、Naive PSCのモチベーションであった「より未分化な細胞こそ分化能が高くて実用性があるのではないか」はIzpisuaにより逆であると判明した。primed PSCの方が胚のキメリズム効率が高かった。これについては、Jaenischは「胚の発生時期とマッチする細胞の方がキメリズムは上がる。Naiveでは前すぎる」と言及していた。 また発生生物学的な疑問として、naiveより前の時期を再現できるか。割球のブラストメアのように胚外組織(胎盤など)と胚組織両方になる細胞だ。これもIzpisuaとHongkui Dengにより達成された。また、後にマイクロRNA34aを阻害することで同様の細胞が報告された。 ■
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by sugirioblog
| 2017-12-25 06:28
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