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2014年 11月 27日
ラストはScience論文。これもMITか。昨日の2本の論文も含めて3本ともMITだけど、全部違うラボだ。どうなってるんだあそこは。
バクテリアに逆転写酵素をしこんで、刺激に応じてゲノムDNAが改変されるようにした。普通はDoxを入れると、それに対応したプロモーターがGFPなりreporterを発現して終わり、あるいはよりphysiologicalな例で言えば、免疫応答が始まって、epigenetic modification of histoneで終わる。それらはtransientな応答だ。今回の論文では、transientでは終わらせず、ゲノムDNAを改変できるシステムを構築した。例えば、培地にIPTGをいれるinputすると、プラスミド中のプロモーターが応答して、kanamycin耐性遺伝子が発現する。従来はここで終わりで、IPTGをやめるともう耐性でなくなるけど、今回は逆転写酵素を組ませているので、耐性遺伝子がバクテリアのゲノムDNAに相同組み換えされる。論文ではそれを更に発展させて、optogeneticsを使って光のオンオフをinputにしたり、他のlocusに別の耐性遺伝子を組み込んだり、除去したりできた。 ディスカッションではいろいろ書いてるけど、やはりcontinuous evolutionという語句が目に留まった。今回はバクテリアの薬剤耐性遺伝子だけど、例えばT細胞を使ってinputを免疫応答そしてoutputをT細胞に新たな機能を付加するような遺伝子の相同組み換えにすると、T細胞のセレクションの過程でよりエリートな細胞が選ばれたりするかもしれない。癌はそれと同じ仕組みを逆手にとってる。そういえば、改造T細胞に癌抗原(input)に反応して抗PD1抗体ORFをoutputにさせると役立つかもしれない。 あと、ディスカッションでも書いてたけど、vivo全体でやるとどうなるだろう。何らかの外的要因に反応して、ランダムにDNAに変な配列を組み込ませ続けると。癌になるだろうけど、ある意味進化の過程を早送りしている。 もちろんヒトではできないけど、虫のような小さなモデル生物なんかでは世代サイクルも短いし、最強のカブトムシでも作れそうだ。 追記。キリンが頸をのばそうとしたから伸びた。のように後天的なニーズにあわせてゲノムが変わる。獲得形質。それを実現しつつあるんじゃないか、これ。
by sugirioblog
| 2014-11-27 11:02
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