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2015年 12月 16日
数年前から聞くコンセプトだけど、意外にも初出は10年以上前だ。その論文のPIがセミナーに来た。小規模セミナーで、主催のGDやLZがすごく好きそうな毒舌トークがよかった。
内容は、MYCはcancer hallmarksの全アスペクトをつかさどっているマスター因子というコンセプトで、MYCをしばくと癌に何が起こるかを10年にわたって出版し続けてきた。 本質は、MYCは癌のinitiationに必要としられてるけど、実は癌のmaintenanceにも大事だということ。最近のこの論文(MYCがmiRNAsを介して癌を維持する)とか。 これおもしろい。Creを発現しただけで癌がregressionしてしまった。Cre毒性は怖くて触らないのが暗黙のルールと化してるラボも多い中、完全にmouse geneticsのartifactを抉り出してる。 印象に残ったポイントてか毒舌。 ー534回引用されている彼のオリジナルのサイエンス論文。それをfeatureした超大御所のプレビューは1320回引用されてる。oncogene addictionというキャッチーなフレーズを開発したのは後者のプレビューだ。前者の元論文はタイトル見ただけでは何言ってるかわかりにくいからスルーされる。セミナーの開幕がこの恨み節。もちろん非常に成功してるので、暗さはない。 ー癌の血管新生で高名なJudah Folkman(故人)。彼はここボストン小児病院の現人神(そしてお隠れになられた)みたいな扱いだ。「ジュダはおれの仕事をhighly appraisedしてくれたんだけど、引用してる論文はおれのコンペティターのやつだー!それを本人に指摘したら、oh, yours also nice paper...だって!」 そのほかにも、コンペティターとのデッドヒートとか。こんな感じで、世間話みたいに人の名前がポンポン出てくる。GDやLZに次々にネタをかまして笑わせまくったセミナーだった。 セミナーの4分の1くらいは実際に実験した人の紹介やほかのラボの人々の話(競争とか、自分のラボにアプライしてくれた院生が超有名PIの娘だったーとか)。分子や現象で厳かに始めるより、最初から最後まで人が主役のセミナーだった。個人的には好ましい。サイエンスを動かすのは人やそのダイナミクスだから。 スタンフォードのMDPhDだからというより、彼自身のスタイルだろう。もちろん非常に医者向きであるが。
by sugirioblog
| 2015-12-16 09:31
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