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2015年 10月 23日
ラボの院生のフェローシップ申請書を拝見。アメリカ市民権持ち+移民の子孫というめちゃ限定されたフェローシップだそう。なんでも億万長者のおっさんが主催してる。ぼくの古巣の研究所もそうやって設立運営されてるけど、アメリカはこういう文化があるんだな。
申請書のストラクチャーを眺めてて考えた。 後半はよくある業績。自分の学部からこれまでの仕事をテーマのビッグピクチャーに沿って整理する。これは自分でも書ける。 そして前半は「自分語り」だ。ここでは自分の研究に対する思い、経歴、「なぜそういう経歴を選んだか」、どんなvisionがあるのか、などなど。そういうのをしっかりとお決まりのストラクチャーに入れて書く。 トータル15ページはあるので、少なくとも7ページはワードで文字がぎっちりの自分語りだ。 少なくとも院生の間に2日くらいネイティヴがうんうん考えて書くんだから、小説の主人公のようなかなりカッコいい内容が書かれる。 こら自分には書けんわ。少なくともまじめにこういうことを書く機会がなかった。 これはポスドクフェローシップでもある「自分語り」のセクションのテンプレートになるんだろうな。アメリカでも最難関ポスドクフェローシップの一つHHWFに代表されるように、最初のセクションで1ページくらい使って、なぜ自分がこのフェローシップに向いてるのか、そして自分のvisionを書かされる。これはコンサイスな自分語りだ。 自分のプロジェクトや興味以外に、筋道だって自分のこれまでのキャリアや将来をvisionaryにjustifyしながらとうとうと語るという力になる。そういやGDラボのポスドク候補でも、「自分の論文の内容しか話せない。彼には中身がない」と言われた候補がいた。日本的には「自分の論文と興味」が中身になるんだろうけど、端で聞いていてこれは衝撃だった。 自分の仕事がなければ自分語りも虚しく聞こえるけど、少なくとも論文を持ってる連中に さらにふるいをかけるときにこれは別次元の大事なファクターになるかもしれない。事実、古巣の同級生や先輩たちでCNSホルダーは掃いて捨てるほどいたけど、そのあと身を崩した多くの連中は自分語りでは零点だったろう。 確かにこれは分野を転々としながらという行為が最大限に称賛されうる土壌が育つなあ。テーマの一貫性なんかではなく、自分のvisionの一貫性におとしこめれば、たとえDNAポリメラーゼの結晶構造解析からフロイト哲学の再構築まで旅してもいいわけだ。
by sugirioblog
| 2015-10-23 09:50
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