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2015年 09月 19日
近所のNature.
噂には聞いていたけど、ようやく出たか。DNAエレメントを削って、マニアックな遺伝性貧血を改善する。これだけだと血液屋にしかおもしろくないし、血液屋なはずの自分でも面白みが伝わらない。 スーパーエンハンサー(SE)の機能解析といえばもっとおもしろく聞こえるか。ボストンにいるとSEは最近バズワード化してるんじゃないか、てほど毎日聞く。これまではChIP-seqをしてベタベタしてる領域をSEと言ってきた。一応厳密な定義はあるけれど、あまり守られていないのが体感だ。それから更に飛躍してゲノムのトポロジーとか転写調節の新たなパラダイムは何ぞやまで語られるようになった。この論文はそういう風潮に一石を投じる。同じフロアでこの論文がongoingしてたころは、「SEに挑戦するソリッドな仕事だ」と聞いていた。しっかりとDNAのエレメントを削って、SEと目される領域が実際に転写を制御してるかを詳細に解析した。転写をpositively, negatively and neutrally制御してる3つに分類した。どれもDNase I hypersensitive sitesなので、従来は単にopen chromatinでstickyな領域としかわからなかった。 個人的におもしろいと思ったのは、DNAエレメントをひっくり返しても転写の影響がなかった。orientation-independentというコンセプト。 最初の1文、人によってはsuper-enhancerとはじめるだろうな。それをあえてスーパーつけてないのに、SOさんらの姿勢を感じた。 SOさんのからむ非常にソリッドな仕事だと思う。彼はグロビン遺伝子の発見から臨床まで何十年も先頭を走っている。医学生が血液の教科書で習う因子を次々に発見している。70-80年代の仕事は圧巻だ。当時のアブストをいくつか読むだけで、今回の仕事につながるアイデアをつねに持ち続けてきたのが明らかだ。DBさんはSO出身。権威主義はいかんし昨年の某細胞の悲劇の元にもなったけど、やはり門外漢には分野外の論文の中身まで判定しにくい。なので良い仕事をするという評判のauthenticなラボの仕事はフォローしたいし、分野外でもそういう確かなラボの名前は知っておくと得する。逆に評判の悪い仕事は例えNatureだろうが思いっきり無視できる。そうしてわけのわからん情報過多は少しは防げる。だってCNS論文て多すぎるし。 しかし星印5つか。ボストン的やな。
by sugirioblog
| 2015-09-19 11:35
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