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2015年 06月 11日
iPS細胞由来の組織は若返ってる。なので、パーキンソンのようなlate onset diseaseを研究する時に効率が悪い。それを克服する例として、早老症のモデルを利用した。progerinというlamin-Aの変異タンパクを発現させることで、実際の早老症をミミックしたドーパミン産生細胞を作った。その結果、細胞の機能が阻害されて、パーキンソン様の症状を再現できた。
このレビューは読み応えがある。感想。 1.agingのmolecular hallmarksをきっちり決めるというのは良いアイデアだ。こうやってファクターに還元していくと、agingの定量化に役立つ。複雑な概念や現象を記述する際、hallmarksで定量するべきだ。そうすれば各ラボで勝手気ままに使ってる用語や定義のスタンダードができる。血液ステムもES/iPSも、現象を記述するために各ラボが勝手な述語を編み出し過ぎた。だからラボ同士の仕事を比較するとき、わけがわからなくなるし、意味不明な宗教がはびこる余地となる。これはステム業界が最も苦労してる側面だ。自分のような外野から見れば、Agingも最近わけがわからなくなってる。 2.hallmarksを制御してるコアプログラムがあるのだろうか。山中転写因子の組み合わせでリセットされるのだから、コアプログラムの本質は重要な転写因子の組み合わせで規定されるgene regulatory networkだろう。おもしろいことに、3次元培養でも2次元培養でもhallmarksに変化は見られないそうだ。これは、extrinsic signalよりもintrinsic gene regulatory networkの関与を示唆するだろう。 ブログで話題にする論文やセミナーは、直に自分の仕事に関係ない、いわば「趣味のお楽しみコーナー」だ。だって自分に関係する論文なんて仕事道具に過ぎないから、ラボで嫌というほど読んで追試して、ああまた追試できないぞくそッたれと吐き捨てる論文を、帰宅してブログでわざわざ書く気にもならん。このステム業界、ホントに再現率悪い。スタンフォードの同じ業界の院生に聞いたら、体感3割だと。完全に同意! それでも純粋に楽しめる枠が残ってるんだから、サイエンスの懐は深いな。One of very few points where I can appreciate doing science. カンザス時代に同居してたアル中の指揮者が言うには「プロの音楽家になる前、おれは飲んだら音楽を語ってた。いまやおれにとって音楽はビジネスの道具になってしまった。だから今は音楽の代わりに神を語る(クリスチャン)」じゃあ(仕事用のクラシックの代わりに)ロックでも語ればと聞いたら、あれは悪魔のノイズだと一蹴されたが。
by sugirioblog
| 2015-06-11 11:44
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